エサレンマッサージは誰が作った
初めてのエサレンマッサージとの出会い
エサレンマッサージの美しさとカッコよさに感動
初めてエサレンマッサージを見たとき、その美しさに感動してこのマッサージを絶対やりたいと思いました。しかし、当時は日本で学ぶ機会がなかったため、その思いは憧れのまま、心の中でずっと持ち続けました。そしてなんと40代も後半になったころようやくその機会を得て、エサレンマッサージを学ぶことができました。
その出会いとは現在、神奈川県湯河原町でエサレンマッサージを行っているまこちゃんこと近藤真紀子さんとの出会いでした。
ボディワーク仲間の安珠さんの紹介でまこちゃんと出会い、その後は日本で学ぶエサレンマッサージトレーニングコースのオーガナイズへと進みました。自分も第1期生としてトレーニングに参加して、現在ではエサレンマッサージの公式ティーチャーとなったまこちゃんと一緒にエサレンマッサージの説明会、ワンデイクラス、資格認定コースに関わっています
エサレンマッサージ説明会は、およそ月1回のペースで毎月開催されています。今回は説明会で取り上げられている話題やデモセッションの様子などをシェアしたいと思います。
創始者はいないエサレンマッサージ
多くの物事には始まりがあり、その作業に携わった方のことを創始者と呼ぶのですが、エサレンマッサージには創始者はいないと言われています。
まこちゃんの説明によると心理学、哲学などの研究施設としてスタートしたエサレン研究所はアメリカとしては珍しい温泉が湧き出る場所にありました。エサレン研究所はサンフランシスコから遠く離れていたため、そこで開催されるセミナー、ワークショップに参加するためには宿泊する必要がありました。そのためエサレン研究所は当初から温泉付宿泊型セミナー施設として活動していました。
やがて自然豊かな環境で、温泉もあり、ゆっくり宿泊するということになるとやっぱりマッサージがいいよね!ということになり、エサレン研究所ではマッサージをサービスで行うようになりました。しかし、そのころのマッサージは古典的なスウェディッシュマッサージでした。
エサレン研究所はカリフォルニアの海岸線(断崖絶壁)にあり、施設のどこにいてもドーンという波の音が聞こえます。特にマッサージルームがある温泉施設(バス)は海岸の真上なので、まさにドーン!という波の音が響きます。
ドーンという波の音をバックにマッサージをしていた人たちは自然とそのリズム、動き、速度、変化、繰り返しに影響を受けるようになり、ロングストロークなどエサレンマッサージ独特のスタイルが誕生しました。そのためエサレンマッサージは波がつくったマッサージ、創始者は誰もいませんと言われています。
試してみよう、体験してみよう
もうひとつエサレンマッサージを理解するうえで大切なことは、エサレン研究所の姿勢である〝より良く生きるために自分で試してみよう、体験してみよう〟という考え方です。
エサレン研究所はスタンフォード大学の学生だったマイケル・マーフィーさんとリチャード・プライスさんの二人によって設立されました。彼らは大きな戦争のあとの社会変革の波のなかで、これからは誰かから教わったことではなく、自分自身で試し、体験することでより良い生き方を探したいという思いからエサレン研究所をつくったのです。
この考え方はマッサージをしていた人たちにも共有されていて、さまざまなアイデアがそれぞれの人のマッサージに取り入れられるようになりました。特にエサレン研究所では心と体という視点から、ロルフィングのアイダ・ロルフ、トレガーアプローチのミルトン・トレガー、フェルデンクライスのモーシェ・フェルデンクライスといった現在では有名なボディワーカーたちのセミナーも行われていたため、それらのアイデア、テクニックはエサレンでのマッサージにも取り入れられました。それはエサレン研究所の試してみよう、体験してみようという姿勢の実践でした。
この姿勢は、現在も受け継がれており、エサレンマッサージは新しいスタイルを試し、体験して変化し続けています。
*ページのトップの画像はぼく(中安)が初めてエサレン研究所に滞在した部屋の窓からみた風景です。
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